大好きな那須の、
緑の木々のトンネルを車で走ってる。
初夏の風が気持ちいい。
あまりにも気持ちがいいから、
どんどんと道の奥へとさそわれる。
坂道をどんどん上がっていく。
温泉のにおいがし始める。
そしていきなり世界が変わる。
目の前にこの世のものとは思えない景色が広がる。
*
僕の家から遠くにいつも見える山がある。
その名は「御嶽山」。
活火山。
これまでの活火山のイメージというのは
僕が8年前に登ったこの写真の「那須岳」のように
硫黄の匂いがする水蒸気がいつも吹き出していて、
荒涼とした岩だらけの何もない世界。
ただし、
ただただ「穏やか」な世界だった。
それが今回の3日前の「御嶽山」の噴火によって
活火山に対するイメージが全く変わってしまった。
それは音もなくはじまり、その次の瞬間には
真っ暗になり視界が奪われ、そして大小の岩が降り注ぐ。
活火山がいま「穏やか」なのはたまたまなんだ。
いつだって次の瞬間には「命の危険」がある場所なんだ。
そんな意識が少なくとも必要なんだと強く感じたこの3日間だった。